
AIエンドポイントセキュリティ:最新のSOCチーム向けSentinelOneガイド
AIエンドポイントセキュリティは、振る舞いAIでランサムウェア、ファイルレス攻撃、環境寄生型の活動を検出します。SentinelOneはこれらの攻撃を阻止し、被害をロールバックします。

主なポイント
- AIエンドポイントセキュリティは、機械学習と振る舞いAIでデバイスを保護します。 ファイルやプロセスの実際の振る舞いを分析し、シグネチャベースのツールが見逃すランサムウェア、ファイルレスマルウェア、環境寄生型(LOTL)の手法を検出します。
- 効果的なエンドポイントの脅威防止には、単一のエージェントで連携する4つの要素が欠かせません。 実行前のファイル分析を担う静的AI、実行中の監視を担う振る舞いAI、可視性を確保するテレメトリ収集、脅威の封じ込めと修復を担う自動対応です。
- 振る舞いAIは、通常のベースラインからの逸脱を見つけて脅威を阻止します。プロセスの系譜を追跡すると、親子プロセス間の異常な連鎖が明らかになり、関与するバイナリがすべて正規のものでも攻撃を検出できます。
- AIエンドポイントセキュリティには、規律ある運用も欠かせません。 チームは誤検知、攻撃者による検知回避、エージェントのリソース使用量、スキル不足に対処する必要があります。CISAの勧告によると、失敗の大半はツール自体ではなく、導入の不徹底、アラートの未確認、設定調整の不足、対応計画のテスト不足に起因します。
- ベストプラクティスは、保護対象を網羅することから始まります。 すべての資産にエージェントを導入し、アラートを継続的に確認します。可能な場合はエージェンティックAIによるトリアージを活用し、検知回避手法に合わせて設定を調整します。さらに、エンドポイントのテレメトリをアイデンティティ、クラウド、SOCのワークフローと統合します。
AIエンドポイントセキュリティとは
2024年、CISA、NSA、FBIは、中華人民共和国(PRC)が支援するグループ「Volt Typhoon」が米国の重要インフラのネットワークに侵入し、場合によっては少なくとも5年間アクセスを維持していたと警告しました。主に使われたのは、被害者自身のツールでした。 CISAの勧告AA24-038Aによると、このグループは活動を通常のシステムやネットワークの振る舞いに紛れ込ませる環境寄生型(LOTL)の手法を使用しています。CISAは、これにより単純なエンドポイントセキュリティをすり抜ける可能性があるとしています。照合すべきマルウェアがなければ、シグネチャでは検出できません。
AIエンドポイントセキュリティとは、機械学習と振る舞いAIのモデルでファイルやプロセスの実際の振る舞いを分析し、ユーザー端末やサーバーのエンドポイントを保護する取り組みです。実行前のファイル分析、実行中のプロセス監視、エンドポイントのテレメトリ、自動対応を組み合わせ、シグネチャベースのツールが見逃す脅威を検出・阻止します。
この用語は、従業員のデバイス上で動作するAIエージェントやアシスタントの保護という、別の課題にも使われます。本ガイドでは、エンドポイントを保護するAIを取り上げます。エンドポイント上で動作するAIの保護については、SentinelOneのAIエージェントセキュリティガイドをご覧ください。
振る舞いが見えなければ、阻止もできません。この現実が、以下のすべての機能を形づくっています。
AIエンドポイントセキュリティとサイバーセキュリティの関係
AIを活用したエンドポイントセキュリティは、攻撃者の一般的な足がかりであるデバイスそのものに着目します。エンドポイントで発生するプロセス、ファイル、ネットワークの活動から、進行中の侵入を把握できます。そのテレメトリをほかのデータソースと関連付けることで、防御者が把握できるリスクの背景が広がります。エンドポイントのデータは、アイデンティティの監視、脅威ハンティング、インシデント対応を支え、サイバーセキュリティにおけるAIの基盤となります。その先にあるモデルの信頼性は、基礎となるエンドポイントの証拠に左右されます。
AIエンドポイントセキュリティの中核要素
最新のエンドポイント保護は、静的AI、振る舞いAI、テレメトリ収集、自動対応という4つの中核要素に支えられています。機械学習を活用したエンドポイントセキュリティでは、それぞれが侵入の異なる段階に対処します。
要素 | 侵入段階 | 役割 |
静的AI | 実行前 | 既知のマルウェアのファイルコレクションと無害なファイルで学習した分類モデルが、コード構造、文字列、バイナリの特性を調べ、実行前にファイルを判定します。ただし、自身を書き換えてシグネチャ照合を回避するポリモーフィック型マルウェアには弱点があります。 |
振る舞いAI | 実行中 | プログラムの起動後の動作を監視します。MITRE ATT&CKのM1040ガイダンスでは、この層を、ヒューリスティクス、機械学習、リアルタイム監視を通じて、プロセスの振る舞い、ファイル、API呼び出し、エンドポイントのイベントを分析するものと定義しています。シグネチャだけには依存しません。検知の手がかりには、不正なファイルアクセスや、OpenProcess、WriteProcessMemoryなどの異常なAPI呼び出しがあります。 |
テレメトリ収集 | あらゆる段階を可視化 | 各デバイスのエージェントがプロセスとプログラムの詳細、デバイスの設定値、ログイン中のユーザー、通信を収集します。その記録を分析エンジンに送り、セキュリティポリシーやベースラインと照合します(NISTのエンドポイントテレメトリー)。 SANSのEDR可視性に関するガイダンスは、この関係を明確に示しています。エンドポイント検知・対応(EDR)ツールの有効性は、検出できるイベントに左右されます。 |
自動対応 | 封じ込めと修復 | NIST SP 800-61r3では、マルウェアの隔離、侵害されたエンドポイントの隔離された修復用ネットワークへの移動、感染したコンテナの実行停止などを封じ込め措置として挙げています。 |
これらの機能は、予防とEDRを統合する単一のエージェントで連携するとき、最も強力な保護を発揮します。機械学習を活用したエンドポイントセキュリティでは、実行時の振る舞いを捉えることが、検出の難しい脅威を阻止する鍵です。
振る舞いAIが脅威を阻止する仕組み
振る舞いAIは、実行時のプロセス活動を評価して脅威を阻止します。そのため、シグネチャスキャナーをすり抜けるLOTLやファイルレスの手法も検出します。
エージェント上の振る舞い分析は、評価対象の活動に近い場所で動作します。 NISTのエンドポイントテレメトリーでは、このエージェントベースの手法を次のように説明しています。ソフトウェアエージェントがプロセスとプログラムの詳細、デバイスの設定値、通信を収集し、事前設定されたセキュリティポリシーや確立されたベースラインからの逸脱を検出します。
最大の利点は、確立されたベースラインからの逸脱をモデルが評価することです。異常なリソース消費や新たなネットワーク接続の急増は、未知のマルウェアによるものでも浮かび上がります。
プロセスの系譜追跡が大きな役割を果たします。MITRE ATT&CKの Process Creationデータコンポーネントによると、プロセス作成の監視は、許可されていないバイナリの実行、スクリプトの悪用、権限昇格の試みなどの不正な振る舞いの発見に役立ちます。監視対象には「親子プロセスの関係、プロセスの引数、環境変数」も明示されています。
- 正規ツールを悪用する手法。 Rhysidaランサムウェアは、 CISA Advisory AA23-319Aで報告されたとおり、ほぼすべての活動に信頼されたOSバイナリを使用しました。レジストリの変更にはcmd.exe、ログの消去にはwevtutil.exe、実行にはPowerShellを使用しています。シグネチャ化できる新種のマルウェアは存在しないため、振る舞いモデルが異常な操作の連鎖とプロセスの系譜を検出します。
- ファイルレス攻撃。 プロセスインジェクションは、正規のプロセス内でコードを実行し、その実行を隠します。MITREは、正規のプロセスに隠れた実行はセキュリティ製品をすり抜ける可能性があると指摘しています。トークン呼び出しとメモリ書き込みを実行時に監視することで、インジェクション自体を検出します。
- ランサムウェア。 MITREの Data Encrypted for Impact手法は、大量のファイル暗号化を説明しています。振る舞いモデルは、既知の暗号化ツールのハッシュが存在する前に、高速かつ大量の暗号化パターンを検出します。
実行時のモデルは、攻撃を示す振る舞いそのものを捉え、これら3つのパターンをすべて検出します。この検出範囲が、次に示す運用上のメリットにつながります。
AIエンドポイントセキュリティの主なメリット
AIエンドポイントセキュリティは、既知のマルウェアを使わず、シグネチャにも検出されない侵入から保護します。エンドポイントの脅威対策におけるメリットは、振る舞い分析と自動対応から生まれます。
- 未知の脅威にも対応:振る舞いモデルは実行時の振る舞いをベースラインと比較し、ゼロデイ攻撃やファイルレスの活動を検出します。これにより、新種のマルウェアや正規ツールを悪用するバイナリ(LOLBin)の使用を異常として捉えます。
- 迅速な封じ込め: 脅威を検出した瞬間にホストを隔離するかプロセスを停止します。自動対応によって、攻撃者が横方向に移動できる時間を短縮します。
- 攻撃の全体像を把握: プロセスの系譜追跡により、アラートの背後にある親子プロセスの関係とコマンドラインを把握できます。関連するネットワーク活動も結び付けます。手作業で何時間もかかる関連付けを、調査可能な時系列に変えます。
- 変化に適応し、ノイズを抑えた運用: 継続的な学習によって振る舞いモデルが新たな攻撃パターンに適応します。同時に、テレメトリーの関連付けによって関連イベントをまとめ、インシデントの件数を減らし、検出の精度を高めます。
こうした利点を維持するには、継続的な調整、十分なリソース、熟練した人材が欠かせません。次に、その運用上の負担を取り上げます。
AIを活用したエンドポイントセキュリティの課題と限界
AIを活用したエンドポイントセキュリティには、調整、敵対的攻撃への対策、リソース、人材に関する負担が導入後も続きます。本番環境でモデルに頼る前に、それぞれを見込んでおく必要があります。
- 誤検知とモデルの調整には継続的な対応が必要です。 NIST AI 100-2は、敵対的攻撃への耐性とモデルの精度の間に根強いトレードオフがあると記しています。欧州連合サイバーセキュリティ機関(ENISA)も、「AI Cybersecurity Challenges」レポートで、コンセプトドリフトによって頻繁な再学習が必要になり、多大な計算リソースを要すると指摘しています。
- 敵対的な回避の試みも引き続き懸念されます。 NISTは「精度を維持しながら回避に耐えるMLモデルの設計は、依然として未解決の課題です」と明言しています。攻撃者にも制約があります。改変後もマルウェアの機能を維持することは難しく、変更された検体に対しても実行時の振る舞い分析は有効です。
- エージェントのリソース使用量は設計によって大きく異なります。 USENIX Securityの研究では、実運用中の軽量EDRのリソース使用量が測定されました。一方、別の研究用エージェントは、はるかに多くのメモリとCPUを消費しました。この差は、テレメトリの収集範囲や推論をセンサー側とクラウド側のどちらで実行するかによって生じます。自社のハードウェアを基準に検証してください。
- 運用に必要なスキルも、現実的な制約です。 2025年のSANS SOC調査では、セキュリティオペレーションセンター(SOC)の42%がAIまたはMLツールをカスタマイズせずにそのまま使用しており、それらのツールは満足度が最も低い部類に入ると報告されています。モデルの出力を解釈し、いつ疑うべきか判断する力は、依然として必要です。
AIを活用したエンドポイントセキュリティでよくある失敗
エンドポイント保護の失敗は、通常、導入と監視の判断に起因します。CISAの勧告でも、同じ誤りが繰り返し記録されています。 エンドポイントへの脅威の防御は、保護範囲、アラートの確認、対応プロセスに不備があり、モデルが脅威を捉えられないと機能しません。いずれも運用上の選択であり、修正できます。
- 導入範囲の不足: 2024年のGeoServerインシデントでは、CISA勧告AA25-266Aにより、「一部の公開システムにはエンドポイント保護が導入されていなかった」ことが判明しました。そのため、侵入は見過ごされました。
- 確認されなかったアラート:同じGeoServerインシデントで、EDRツールはStowawayツールを検出しました。しかし、アラートの確認漏れがあり、SOCの対応は遅れました。ツールは脅威を検出しましたが、人による対応プロセスは機能しませんでした。
- 調整と設定の不足:CISAのRed Team勧告AA24-193Aは、「EDRの設定不足」を確認された問題として挙げています。また、一般に知られた難読化や実行の手法を検出できるEDRの導入をチームに求めています。
- テストされていないインシデント対応計画: AA25-266Aによると、被害を受けた機関はインシデント対応計画のテストや演習を実施していませんでした。その結果、対応時に第三者の協力を得るまでに時間がかかりました。
これらのインシデントでは、ツールは機能していましたが、それを支える運用が不十分でした。運用はチーム自身で改善できます。以下のベストプラクティスが、その基盤になります。
AIを活用したエンドポイントセキュリティのベストプラクティス
エンドポイントへの脅威を効果的に防ぐには、まず保護範囲を網羅し、そのうえで継続的な確認、調整、連携が必要です。CISAとNISTのガイダンスは、次の要点に集約されます。
- すべての資産に導入する。 公開システムやクラウドシステムを含むすべてのホストにEDRエージェントを導入し、アプリケーションの許可リストと組み合わせます。詳しくは#StopRansomwareガイドを参照してください。
- アラートを継続的に確認する。 GeoServerでのアラート確認漏れが示すとおり、継続的に確認しなければ、検出しても検出しなかった場合と結果は変わりません。24時間体制のトリアージを担当者または自動化で実施してください。 エージェンティックAIによる調査で、自動化を実用的なものにします。AIアナリストが重大なアラートの発生と同時に調査し、証拠に基づく判定をチームに引き渡します。夜間や週末も監視に隙が生まれません。
- 検知回避手法に合わせて調整します。 エージェントが難読化やLOLBinsの悪用を検知するよう設定し、行動パターンの変化に合わせて基準となる行動モデルを改良します。
- 統合し、パッチを適用し、訓練します。 CISAのTrusted Internet Connections (TIC) 3.0 Cloud Use Caseのガイダンスは、クラウドのエンドポイントデータを企業全体の状況把握に組み込むよう政府機関に求めています。悪用が確認されている既知の脆弱性を定められたスケジュールで修正し、机上演習を実施します。インシデント発生前に、サードパーティのアクセスとエスカレーション経路が機能することを確かめます。
SentinelOneのプラットフォームは、これら4つの取り組みを大規模に実践できるよう設計されています。

エンドポイントの保護
SentinelOneのAIを搭載したエンドポイントセキュリティが、サイバー脅威をリアルタイムで防止、検出、対応するためにどのように役立つかをご覧ください。
SentinelOneでエンドポイントの脅威を阻止
Singularity™ Endpointは、AIを活用した防御とEDRを単一のエージェントに統合します。デバイス上で振る舞いAIを直接適用し、LOTLやファイルレスの手法を検知して阻止します。CISAの勧告に記載されたランサムウェアの振る舞いも検知します。エージェントは実行時にプロセスの振る舞いと系譜を評価します。ランサムウェアの振る舞いや異常なプロセスの系譜を、シグネチャが存在する前でも発生した瞬間に異常として検知します。
Singularity Platformは、エンドポイントとクラウドのテレメトリをアイデンティティのテレメトリと統合します。単一のエージェントとコンソールから、単一のデータレイクにデータを送ります。Storyline®は、プロセスの生成とファイル操作を再構成し、攻撃の全体像を明らかにします。ネットワーク接続も関連付けるため、タイムラインを手作業で再構築せずに、アラートから根本原因までたどれます。Gartner®は、SentinelOneを6年連続で2026年 エンドポイント保護部門Magic Quadrant™のリーダーの1社に選出しました。Latioは2026年の市場レポートで、SentinelOneをSOCプラットフォームのリーダーに選出しました。テレメトリから調査、対応まで、SOCプラットフォーム全体にわたる評価です。
ランサムウェアが実行された場合も、Singularity Endpointは悪意ある変更をロールバックし、影響を受けたWindowsエンドポイントを感染前の状態に戻します。破壊的な暗号化攻撃から復旧できます。
Purple AI™は、この機能を調査にも拡張します。自然言語の質問をエンドポイントのテレメトリ全体に対する構造化された脅威ハンティングに変換します。アナリストはツール間でデータを手作業で関連付けることなく、攻撃のタイムラインを再構成できます。 IDCのビジネス価値に関する調査によると、Purple AIを利用する顧客は、脅威の特定を63%、修復を55%高速化しました。
Purple AI Agentic Investigationは、SOCチームの調査をさらに進めます。重大な脅威が定められたしきい値を超えると、自律的に調査を開始します。証拠を収集・関連付けて判定を下し、マシン速度で脅威を阻止できます。アナリストはアラートではなく判定から調査を始められます。すべての判定には監査可能な証拠の連鎖が伴い、Purple AIに与える自律性の範囲はチームが設定します。
Singularity Data Lakeは、Open Cybersecurity Schema Framework (OCSF)に基づいてテレメトリを取り込み、正規化します。これにより、機械学習を活用したエンドポイントセキュリティ、クラウド調査、領域を横断するデータの関連付けに共通の基盤を構築します。保存したデータはすぐに利用できる状態に保たれるため、アナリストはエンドポイントや他の領域のテレメトリをほぼリアルタイムで検索できます。
SentinelOneのデモをリクエストする。振る舞いAIが進行中の一連の攻撃を阻止し、ワンクリックロールバックが被害を元に戻す様子をご覧ください。

比類なきエンドポイントプロテクション
SentinelOneのAIを搭載したエンドポイントセキュリティが、サイバー脅威をリアルタイムで防止、検出、対応するためにどのように役立つかをご覧ください。
まとめ
AIエンドポイントセキュリティは、ファイルやプロセスの振る舞いを分析してデバイスを保護します。CISAが記録したインシデントで防御を突破したランサムウェアの振る舞いに加え、環境内の正規ツールを悪用する手法やファイルレスの手法も検知します。静的AI、実行時の振る舞いモデル、テレメトリ、自動対応が連携します。保護範囲の網羅性と継続的なアラートの確認が結果を左右します。エージェント上の振る舞いAIが、防御者にいち早く警告を届けます。
保護範囲とアラート確認の隙をなくせば、正規ツールの悪用を隠れみのにさせません。
よくある質問
AIエンドポイントセキュリティは、機械学習と振る舞いAIを使い、ユーザー端末やサーバーのエンドポイントを保護します。実行時のファイルやプロセスの振る舞いを分析し、実行前のファイル分析、振る舞いの監視、テレメトリの収集、自動対応を組み合わせます。
通常の行動基準からの逸脱で活動を判断するため、シグネチャベースのツールが見逃すランサムウェアの振る舞い、ファイルレスのマルウェア、環境内の正規ツールを悪用する手法を検知します。
振る舞いAIは、実行時のプロセスの動作を監視して脅威を検知します。シグネチャベースのツールは、既知のマルウェアのハッシュやパターンのデータベースとファイルを照合するため、既知の脅威しか阻止できません。振る舞いAIは、実行時の活動を通常の行動基準と比較します。
攻撃者がファイルレスの手法を使う場合、 ポリモーフィックマルウェア、またはPowerShellのような信頼されたシステムバイナリであっても、モデルはプロセスの実行中にその実行順序と系譜を評価し、異常な振る舞いそのものを検出します。
プロセスの系譜追跡では、プロセス間の親子関係に加え、コマンドラインと引数を記録します。 MITRE ATT&CK では、こうした関係を攻撃の発見につながる重要なシグナルと位置付けています。
たとえば、control.exeがcmd.exeを起動したり、署名済みバイナリが未署名のペイロードを実行したりする場合、悪用が疑われます。関与する個々のバイナリがすべて正規の信頼されたものであっても、実行の連鎖から攻撃者の振る舞いが明らかになるため、系譜追跡でこの活動を検出できます。
AIエンドポイントセキュリティの導入における主な課題は、誤検知、敵対的な回避手法、エージェントのリソース消費、スキル不足です。振る舞いの変化に伴う誤検知に対応するには、モデルの継続的な調整と再学習が必要です。
NISTは、敵対的な回避手法を未解決の課題としています。リソース消費量は設計によって異なり、ハードウェアでの検証が必要です。チームには、ポリシーのカスタマイズ、モデルの出力の解釈、状況に合わない結果を疑うスキルも求められます。
AIエンドポイントセキュリティは、最新のEDR戦略の中核を担い、一体となって機能することで最大の効果を発揮します。最も効果的なのは、単一のエージェントで両方を運用する方法です。AIを活用した防御が悪意のあるファイルを実行前にブロックし、振る舞いAIモデルが実行時に攻撃の兆候を特定し、自動化された エンドポイントの検知と対応 (EDR)が防御をすり抜けた脅威を封じ込めます。
後付けではなく、最初から組み込まれています。このエンドポイントデータは、IDの監視、脅威ハンティング、セキュリティ対策全体での相関分析にも活用されます。これにより、エンドポイントはクラウド環境とオンプレミス環境にまたがる侵入を発見するための主要なセンサーとなります。



